2010年、時は原宿ガーリー全盛期。地方の田舎に住んでいる憂鬱な中高生だった私の神様は、青文字系モデルのAMOちゃんでした。私は学校が終わると毎日AMOちゃんやぺこちゃんのアメブロに訪問し、ZipperやKERAを読み耽っていました。そしてMILKやKatieなどの高級でガーリーなお洋服に、うっとりと思いを馳せると、思春期の痛烈な痛みが少しだけ緩和されるのでした。
ちょうどそのころ、MILKが40周年を記念してBlytheとコラボしていたんです。
コラボのお品は、2010年発売のミディブライス「リトルリリーブラウン」さん。ミディブライスはブランドの主流であるネオブライスより、ひとまわり小さいドールです(ミディブライスは現在はもう生産されていません)。

初めてブライスドールを見て驚いたのは、なんと言っても少女漫画のような大きなおめめ。
お顔そのものも大きく華やかで、ボディの華奢さがよく映えます。何よりその小さいお身体で、MILKの世界観にフィットしたすっごくかわいいお洋服を着こなしていたんです(MILKのブランドアイコンであるハート型のバッグもとっても似合っています!)。
ボディの華奢さがお顔に負けないほど、「これでもか!」というほど、おしゃれだったんです!
あまりに衝撃的で、店舗にも見に行きました。冴えない中高生がMILKの実店舗を訪れるのはかなりハードルが高かったのですが、それでもどうしてもこの目で見たくて。ベビー・ピンクを基調としたMILKの店内の、お洋服がかかっている高い棚の上に……いらっしゃいました。MILKの妖精みたいなドールが。
実物……写真で見る何倍もかわいい〜〜!!!
私はシャイな学生でしたゆえ、店員さんに「すみません、あそこに飾ってあるリトルリリーブライスさんを見せてください!」とは言えませんでした。ブライスさんのような高級ドール、ぽんと買えるわけでもないですしね。目立たないようにしながらじっと見つめて、内心静かに感動していたのを鮮明に覚えています。
ただ当時の私は、「手元にお迎えしたい!」とは少しも思わなかったんですよね。
なぜかというと、単純に「私はお人形を大切にできるような人間じゃない」と思っていたからです。可愛がってくれる他の誰かに買われていった方がいい、と考えていて。そこにさみしさのようなものも、特に感じていませんでしたね。
いわば、ドールと私は別の世界に生きているような、そんな感覚でした。
なので、まさか約15年の時を超えて、ブライスドールをお迎えすることになるなんて……。別の世界の住人にこの手で触れるなんて。私自身が一番驚いているんです。
きっかけはなんでもない日の、なんでもないネットサーフィンでした。ほんとうに偶然、ネオブライスさんの画像を見かけたんです。何年ぶりでしょう。途端にあの頃の強烈な憧れが蘇り、気づいたらオンラインで購入していました。
お迎えした理由は、今までお迎えしなかった理由と同様に単純です。ただ、「今なら大切にできるはずだ」、と直感したから。とはいえまだ確信は持てなくて、その夜はぜんぜん眠れませんでした。
どんなお洋服を着せようかな。いつか、自分でお洋服を作れるようになれるかな。絶対に球体関節ボディにカスタムしたい。せっかくなら、メイクもカスタムしたい。塗料って何がいいんだろう。……本当に大切にできるかな。できるといいな。きっとできる、「愛することは意思だ」と誰かも言っていた。
そうして眠れぬ夜を2日超え、うちに来てくださったのが、ネオブライスの「アーバンフェアリーエリー」さんです。公式様の紹介ページはこちら。
実物……想像していた何倍も、かわいい〜〜!!!
心配するまでもなく、ひと目みて愛してしまいました。それから私はこの子を10日間くらいかけて夢中でカスタムして、「サテンちゃん」と名づけました。「ずっと肌触りのいいサテンのような優しさに包まれてほしい」という願いをこめて。

サテンちゃんについて語り始めると大変な長文になってしまうので、今日はここまでにします。
こちらの「ドールに恋して」というカテゴリでは、ドールとの暮らしを更新していきます。
- カスタムの記録(ボディ変更、マット肌加工、メイク、スリープアイカスタムなど)
- 1/6サイズのお洋服づくりの記録
- ドールハウスへ向けたDIYの記録
- シャンプーや保管方法の小話
私自身、上記のような体験談を求めて、ドールオーナーの先人たちのブログをひたすら拝見して回りました。先輩方、何年も前のブログ残してくださって、本当にありがとうございます……! 大変助けられ、励まされました。私の記事も、願わくばいつか誰かの役に立てばいいのですが、それはわかりません。
ただ実際にやってみてすでに「やってしまった……」「思い付きでうまくいった!」などいろいろ所感がありますので、私も自分の言葉でシェアしたいなと思っています。
サテンちゃんもあなたもあなたの大切な人も、優しさに包まれますように。それではまた。
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